2013年11月25日月曜日

356)自分だけの部屋の必要性

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えていきます。
そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧き、しあわせ入れ放題だと実感することでしょう。
 今日は、「自分だけの部屋の必要性」 について考えてみます。
思春期になると、大抵の子どもは「自分だけの部屋=個室」を欲しがります。
そして、それが個の確立の観点からも必須であるといいたいいと思います。

近年は核家族化、二世帯住宅などにより個室が多くなりましたが、まだ部屋をシェアする可能性があるかもしれません。同性の子どもの場合は特にその傾向があるでしょう。
あるいは、個室があっても鍵を付けない場合もあると聞きます。
「自分の部屋にこもってゲームばかりしている」
「何をしているか分からないから心配」など、個室の弊害を心配する家族も多いようです。
それは、誰のどのような心配でしょうか。
子どものことを本当に心配してのことでしょうか。
もしかしたら、親自身の心配ではないでしょうか。

特に思春期の子どもは、子どもから大人への過渡期だといわれ、
心身両面から言葉では表現しづらい何かが突き上げてくる時期です。
子ども自身にも訳が分からない時期だとされています。
いわゆる「疾風怒濤の時期」と呼ばれる時期なのです。
自分の中で一体何が起こっているのか、起ころうとしているのか、
心も体もざわつく時期です。

そんな時期には、周りの雑音に邪魔されず引きこもり、自分を見つめ、問いかけるようとする。
そして、それらのことは自分の胸に秘めておく。
また限られた人(親友など)にしか打ち明けない。
それらが
「秘密を持つこと」になり、その秘密を持つことが自分と他者の間に境界線を引くことに繋がります。
そう、思春期は心身共に変化が一番大きく、秘密を持ちやすい時期なのです。
そして「秘密を持つこと」が必要な時期でもあるのです。
そのためには「安心して自分一人になれる空間と時間」が必要です。
それが「自分だけの部屋=個室」なのです。

それには条件があります。
・鍵がかかること
・声や気配が隣の部屋に漏れないこと
・広すぎず、狭すぎないこと(6畳くらいが理想)
以上の条件が整って初めて「個室」といいます。

ここで、「個の確立」とは何かと考えてみましょう。
私は私であり、他の誰でもないただ一人の存在である。
私と私以外の境界を明確に持っていることではないでしょうか。
つまり、自分と他者は違っていて当たり前だと思えること。
違いを肯定する観点から物事や他者を見ることができるようになることではないでしょうか。

それを部屋に置き換えたのが「自分だけの部屋=個室」です。
個室の壁は自分と他者を分ける境界線だと考えてみましょう。
すると、
個室がない=自他の境界線がない
自分がこう思う=相手もこう思っているに違いない
このように考えるのは飛躍しすぎでしょうか。

大人も時には誰にも邪魔されず、一人きりになれる空間や時間を必要だと痛感したことがあることでしょう。
子どもから大人への過渡期には、それが頻繁に起こる時期です。
その時間と空間をたっぷり与え、決して邪魔しないこと。
それが思春期の子どもに対する周りの大人の理解と配慮だと思うのです。

一方、リビングは家族や来客との交流を持つ場所となります。
個室は裸の自分とするなら、リビングは薄着の自分であり、家の外は上着を来た自分に例えられるのではないでしょうか。ここから着替えること、脱ぐことを学ぶことにもなるでしょう。
家族間であっても、互いの個室には無断で入らない、必ず声をかけるか、ノックをする。
このような家庭環境の中で育つならば、個の確立は必然的に学習するもののように思います。
親、子、兄弟姉妹は家族であっても、それぞれ違った個の集合体であり、それぞれに境界があることを忘れないことが大切ではないでしょうか。
シニフィアン研究所のHPも参照ください。http://signifiant-lab.com/
思春期の悩みについてはこちらをどうぞ。http://signifiant-lab.com/eatingdisorder/

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