2013年5月19日日曜日

339)「好き」を育てよう

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えていきます。
そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧いてくることでしょう。
今日は、「好きを育てよう」について書きたいと思います。
ここでは、
≪好きなことがある≫ということがどれほど大切であるかを考えたいと思います。

ほとんどの人は少なくとも一度は
「自分は一体何をしたいのか?」との問いかけをしたことがあることでしょう。
これが、いわゆる≪アイデンティティー(自己同一性)への問いかけ≫です。
「自分とは何か?」
「何のために生きているのか?(生きる意味は何か?」
これらの問いかけは、主に進学や職業選択をする時(思春期)に発生します。

それらが明確に決まっている場合は、問題なく進んでゆくでしょう。
ところが、明確でない場合、立ち止まってしまう可能性が出てきます。
そして、その問いかけに何らかの答えが見いだせなかったとき
<アイデンティティー拡散>などと言われる事態が起こります。
ちょうど、身体的変化も伴って、イライラが募り、
様々な問題行動や心身の不調が起こりやすい時期であり、
統合失調症など精神病が発症する可能性が一番高い時期だともされます。
『疾風怒濤の時期』ともいわれます。
逆にいえば、
だれもが一度は通り抜けなければならない時期だともいえます。
この時期をうまく乗り越えてゆくために、
「好きなこと(もの)がある」ことが大きな助けになるであろうと思います。

例えば、テレビや雑誌などで、インタビューされた人が
「どうしてここまで続けてこられたのですか?」
「どうしてそこまでやるんですか?」
などの質問に対し、
「やっぱり〇〇が好きなんですよね」と答えている場面によく出くわします。

このように、好きなことに対しては
どのような艱難辛苦が待ち受けていようとも、決して引き下がらない。
立ち止まることはあっても、常に前進し続けることでしょう。
その根底で支えるものは、ただ「好き」これだけです。
まして、周りの評価や損得や将来性など関係ありません。
ただただ夢中で寝食忘れて没頭することでしょう。
その集中力には凄いものがあります。

では、その基礎には何があるのでしょうか。
ひとことでいえば、環境ではないでしょうか。
ここでいう環境とは、集中して没頭できる環境を指します。
どういうことかというと、
誰にも邪魔されず、中断されないということです。
その始まりは、幼少期だといいたいのです。
子どもはあらゆる物事に興味を示します。
それを大人の視点からの判断で邪魔しないことです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あるお母さんが、
「子どもがゲームに夢中になって勉強をしなくて困る。
ひどいときは、一日10時間もしている。
何度注意してもききません。これでは、先がおもいやられる。どうしたらいいのでしょうか?」
と相談に来られました。
お母さんの言うことに共感できる大人は多いかもしれません。
ですが、その時、そのお母さんに言いました。
「素晴らしい、それほどまでの集中力、意志力がある子どもさんなんですね」と。

今は、その好きな(興味がある)対象が「ゲーム」かもしれません。
それが他の好きな(興味がある)対象に移行した時のことを考えたらどうでしょうか。
その集中力、最後までやり通す意志力は、凄いものがあるのではないでしょうか。

私たち大人は、ややもすると目先の対象(こと、もの)に捕らわれすぎていないでしょうか?
対象に目を向けることも大切な一つですが、
一つのことに集中している「集中力」
最後までやり抜こうとする「意志力」に目を向けることも大切だと思うのです。

一時期没頭していても、それが本当に興味の対象でないならば、
いつか必ず止める時が来るでしょう。
それを自らが身を持って体験することが、自分で判断し、決定する能力を育てることにも繋がると思います。
そのためには、「好き」を見守り、育てる環境が大切ではないでしょうか。
その代表的な養育方法が≪オールOK子育て法≫なのです。

オールOK子育て法についてはこちらを参照ください。
「精神分析的子育て法、オールOK」http://signifiant-lab.com/raise/
オールOK子育て教室、養成講座もあります。
シニフィアン研究所HPhttp://signifiant-lab.com/ 

0 件のコメント:

コメントを投稿