2013年5月5日日曜日

338)寄り添う心

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えていきます。
そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧いてくることでしょう。
今日は、「寄り添う心」について書きたいと思います。

以前にも同じようなタイトルで書きましたが[175)寄り添うとは?を参照ください]

問い合わせの頻度が高いので、改めてテーマとして取り上げます。
ここでは、精神的に寄り添うことを中心に考えてみたいと思います。

誰かが傍に居ても、話をしていても、聞いてくれていても、
必ずしも寄り添ってくれていると感じられない場合があります。
一所懸命に話を聞こうとしているにも関わらず、
「寄り添ってくれない」と言う。
寄り添っているつもりなのに、寄り添ってくれないと言う。
どうして寄り添いたいとう気持ちが伝わらないのだろうと歯がゆく思う。
そんな体験はありませんか。

そんな時は、お互いが同じ気持ちでしょう。
≪どうして解ってくれないの!≫
このように叫んでいることでしょう。

街中で、ふと耳にした母と娘の会話を紹介しましょう。

娘「これ可愛いねえ」
母「じゃあ買ってあげるわ」
娘「そんなこと言ってないよ、ただ可愛いって言っただけよ」
母「可愛いと言うから、買ってあげようと思って言ってるのに、何よその言い方は。」
娘「ママはいつもそう。私は物が欲しいんじゃないわ。」
母「何が不満なの?買ってあげるって言ってるのに」
・・・・・・・この後の展開は想像してください。

どうしてこのような展開になったのでしょうか。
娘は何を言おうとしているのでしょう?
母は娘の何を理解できないのでしょうか?
娘の視点から考えてみましょう。

・≪言うことを聞いて≫
「可愛いねえ」と言ったのです。
買ってほしいとは言ったのではありません。

・≪共感して欲しい≫
「可愛いねえ」と言ったら、「ほんと、可愛いわね」と答える。
これを共感するといいます。
母が共感したなら、娘は「ママも自分と同じ想いなんだ」と思えたことでしょう。

・≪共有したい=一体感を味わいたい≫
母が共感することで、想いと時間を共有していると感じられる。
これは、母との一体感を味わうことと等価です。
他者との一体感を味わうことは、融合体験に繋がります。
融合体験は、至福の時や満足感、幸福感をもたらすことでしょう。

このように考えていくと、この娘さんの要求していることが見えてきます。
母との一体感を味わいたい、
母と満足、幸せな気持ちを共有したい。
物が欲しいのではない。
欲しいのは寄り添ってくれる母の(喜びの共感、共有)であると見えてきたのです。

母の視点から考えてみると、また違ったものが見えてくるでしょう。
双方からの視点で見ていくと、それぞれの想い(心)が読み取れます。
このような視点からの勉強会もしています。
共に学び、考えてみませんか?

シニフィアン研究所のHPも参照ください。http://signifiant-lab.com/
埼玉、和歌山でも順次講座を開催しています。http://signifiant-lab.com/#13

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