2013年4月25日木曜日

336)秘密を持つこと

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えていきます。
そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧いてくることでしょう。
今日は、「秘密を持つこと」について書きたいと思います。
子どもが成長する過程で、親に秘密を持つことが大切となります。
(ここでは、4・5歳くらい~12歳くらいまで)
それは、自分と他者の境界線があることを学び、「自我の確立」に繋がるからです。

親が常に傍にいなくても遊べる年齢になると、
子どもだけの秘密をもつようになります。
それまでは、子どもにとって親は何でも知っている万能の人です。
つまり、親は自分のことを何でも知っている=お見通しである
このように感じているのです。
逆に、まだまだ自分だけが親を独占していたい気持ちの方が優勢です。

ところが、次第に、親が知らないこともあることに気づき始めるのです。
それが自分と友達だけの秘密、自分だけの秘密です。
親から見れば、予測可能であり、お見通しなので、
すぐにバレてしまいます。
それでも、秘密を持つことは子どもにとって一つの冒険でもあるのです。
親は自分について何でも知っている=自分と親の境界(区別)が無い
親は自分について知っていることと、知らないことがある=自分と親の境界(区別)に気づく

このことが、自分と親(他者)との間に境界線があることを気づかせるのです。
この境界線が後の「自我境界」になると言われています。
そして、12歳くらいになると、自分の部屋が欲しいと言い始めます。
この言葉を持って
「自我境界を持つ=自我の確立を持ち始めたと見なせるのです。

自我の確立ができていないとどうなるでしょうか。
例えば、
自分の考え(体臭)が外に漏れ出る。
他者は皆、自分の考えることを知っている。
他者が侵入してくるetc
人が怖いと感じ、安心して外に出られなかったり、対人恐怖になったりする可能性があります。

親は自分の予測を超える子どもの言動や態度に不安になり、
必要以上な干渉をしたり、問いただしたりしがちです。
ですが、子どもは親が知らない秘密をもつことで、
自我境界を知り、自我を確立しようとしているのです。
子どもについて知らないことができても、すぐに不安にならず
寛大な視点から子どもの成長を見守ってあげたいものです。

子どもに眼差しを向けつつも、過剰な干渉はしないこと。
決して無断で子どもの引き出しやカバンや携帯を見ないこと。
知っていても知らないフリをすることも時には必要ではないでしょうか。
誰より、親に秘密を持つことを一番不安に思っているのは≪子ども自身≫なのですから。

このような親の眼差しに見守られたなら、
子どもは冒険をしながら自らの体験を通して、自分という自我を確立してゆくことでしょう。

子育てに不安や疑問を持たれたら、共に学びませんか?
シニフィアン研究所のHPを参照ください。http://signifiant-lab.com/


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