2012年12月9日日曜日

313)(インター)ネット依存

シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の迎意 愛(むかい あい)です。
精神分析という対話療法で心身の悩み相談をしています。
           
今日は、「インターネット依存」について書きたいと思います
「インターネット(以下ネットと呼ぶ)依存」は今月の関西での《フリートーク》のテーマでもありました。
「ネット依存」は、克服していない幼児期の甘えの再現と反復であり、
自律することの不安の防衛からくる「しがみつき」だといわれます。
この「しがみつき」から脱出し、自律するにはどうすればよいのかを考えたいと思います。

まず、「ネット依存」を二つに分けてみます。
一つは『依存』、もう一つは『ネット』です。
☆ 『依存』について
《これなくしては生きられない》
《これこそ我が命》
《これしかない》
といって自分を依存している対象に埋没(一体化)させることを指します。
また、根底には「甘えたい欲望」があると考えます。
『甘えと依存』は乳幼児期には必須のものであり、
この甘えと依存を断ち切り自律してゆくことが、
成長することであり、大人になることだと考える観点があります。
この観点から考えた時、
『依存』は、乳幼児期の甘えと依存を求め続け、自律することへの不安から、しがみつこうとしている状態といえます。
☆ 『ネット』について
ネットは、社会的にも個人的にもなくてはならない必須アイテムとなっています。
ですから、そのことの是非をいうものではありません。
ネットといっても様々な形式がありますが、
ここでは主にメールなど文字を中心としたものとして考えます。
人と人が向かい合う現実の会話と、携帯やスマートフォンなど文字での会話との違いは何でしょうか?
その一つは
なりすまし(幻想の世界)≫が可能かどうかではないでしょうか?
男性が女性に、60歳が20歳に、社長やセレブなど、いかようにも変身可能です。
現実ではかなり難しいことでしょう。
このように、ネットの世界は
幻想・虚構の世界でなりたい自分になれる世界(自分の思うようにあやつれる世界)だといえるでしょう。
これら二つを合わせた「ネット依存」は
甘えと依存を断ち切り自律することへの不安から自分を守るために、
現実世界からネットという幻想世界にしがみつくことで、分離不安を防衛する方法だと考えられます。
それゆえに、
メール送信してもすぐに返信が来ないと不安(分離不安or見捨てられ不安)になり、
自らもすぐに返信をしないと相手から見捨てられるこしれないという切迫感に駆られるのでしょう。
そして、現実の世界よりもネットという幻想の世界の方が
自分が存在しているとの実感が味わえるように感じて、ますますのめり込む。
常に携帯し、画面から目を離さないようにしないと自分の存在がなってしまう。
こうして、ネット依存は益々加速し続け、断ち切ることなど不可能となってゆくようです。
確かに、携帯やスマートフォンの向こう側には人がいます。
ですから、間接的にではあるものの、その人と繋がっていると思えるのでしょう。

メールを送信したら=要求が出たら
すぐに=敏速に
返信が=的確に
届く=行動で応える
そうすると安心する
この≪要求が出たら、敏速に、的確に、行動で応える≫とは、まさしくオールOK子育て法の基本でもあります。
ということは、
「ネット依存」とは、現実世界では手に入らない≪オールOK子育て法≫を、ネットという幻想の世界で満たしたいと叫んでいる姿だと思えてくるのです。
もしそうだとしたら、「ネット依存」から脱出するには、
まずは現実世界の中で、「オールOK」をしてもらう体験をすることではないでしょうか。

子育てにおいて、子どもが「ネット依存」にならないためには、
現実世界の中でオールOKの視点で子どもに向き合い、応え続けることだと思います。
そうすれば、ネットという便利なアイテムを有効に活用することでしょう。
「ネット依存」をしていると気付き断ち切りたいと考えている人は、
まず、「ネット依存」によって自分が何を求めているのかを知り、
それを手にいれたなら、きっと自律への道は開けると思います。
また、「ネット依存」の人を何とかしたいと考えている家族の方は、
オールOKの観点でその人に関わることで、変化が見られることでしょう。
オールOK子育て法はこちらを参照ください。http://signifiant-lab.com/raise/
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